10年気を張ってきた私が、やっと気づいたこと
朝5時、まだ外が暗いうちに目が覚める。
布団の中で天井を見ながら、胸のあたりがずっしり重い。
「今日も、行くのか」
子どもたちはすやすや寝ている。
私は足音を立てないように玄関を出て、高速道路に乗る。
片道1時間の通勤の運転席で、毎日、同じことを考えていました。
「なんで私、こんなにしんどいんだろう」
パワハラがあるわけじゃない。
陰口がひどい職場でもない。
先輩もちゃんと教えてくれるし、医師も看護師も普通に優しい。
だから、辞めたいって言える理由が、なかったんです。
30代、3児の父。
総合病院で医療事務を10年やってきた私が、2年間ずっと抱えていた違和感の正体。
それは、「最悪じゃない職場のしんどさ」でした。
この話は、あの頃の自分と同じ気持ちでいる人に向けて書いています。
「いい職場じゃん」が、喉に詰まる
家族や友人に仕事の話をすると、よくこう言われていました。
「え、福利厚生もしっかりしてるし、人間関係も別に悪くないんでしょ? じゃあいいじゃん」
その言葉に、毎回うまく返せなかった。
「うん、まあ…」と濁して、話題を変える。
でも、喉の奥では本当はこう叫んでいたんです。
「最悪じゃないから、辞められないんだよ」
Xで#医療事務の愚痴を見ていると、
同じ感覚の人に山ほど出会います。
「辞めたい理由をちゃんと説明できないから、もっとしんどい」
「はっきりブラックなら、まだ踏ん切りがついた」
「最悪じゃない、が一番苦しい」
これ、経験した人にしかわからない種類のしんどさだと思います。
常に、どこかで気を張っていた
当時の私は、総合病院で50名を超えるスタッフのマネジメントを任されていました。
副総括責任者という肩書きをもらって、新人育成、業務調整、採用も兼務。
約3年間で100名以上の面接をしました。
表から見たら、キャリアとしては悪くない。
役職もあるし、給料もそこそこ。
でも、体は全然ちがう信号を送っていたんです。
外来のピーク時、月末月初のレセプト、クレーム対応。
忙しさは覚悟していました。
しんどかったのは、そこじゃなかった。
人間関係が「最悪じゃない」からこそ、
自分の機嫌や表情、言葉選びに、ずっと気を張っていたこと。
「あの人、今日なんか機嫌悪いな」
「新人のあの子、今のひと言で傷ついたかな」
「このタイミングで休憩言うの、空気読めてないかな」
毎日、1秒単位で空気を読んでいました。
帰宅したら、その日なにを話したかももう覚えていないくらい、消耗してた。
でも、外から見れば「いい職場」だから、
自分の疲労を、誰にも言語化できなかったんです。
動けたのは、体が先にギブアップしたから
2年くらい、ずっと悩んでいました。
「この働き方、このまま続けていいんだろうか」って、毎晩布団の中で。
でも、動けなかった。
スマホの求人サイトをスクロールしては、
何も応募せずに寝落ちする日々です。
「カッコいい転職理由」なんて、ひとつもない。
ただ、体が先にギブアップしたんです。
ある朝、目が覚めた瞬間に「今日、もう行けない」と思ったことがあって。
その日に初めて、ちゃんと動こうと決めました。
たまたま登録していた「ジョブソエル」で、今の職場を見つけました。
動画で職場の雰囲気が見られて、「ここなら大丈夫かもしれない」と思えた。
あのときの安心感は、今でもはっきり覚えています。
フルリモートになって、最初に思ったこと
今は、IT企業所属のフルリモート医療事務として、算定業務を中心にやっています。
通勤はゼロ。
朝は子どもと朝ごはんを食べてから、仕事をはじめます。
転職して最初に思ったのは、すごく単純な言葉でした。
「人生、軽いな」
重かった何かが、ふっと抜けた感じです。
人間関係は、いい意味で「ちょうどいい距離」になりました。
必要なときにだけ話して、あとは自分の時間。
日曜の夜、「明日、仕事か…」と沈む気持ちが、
気づいたら消えていました。
だから、今のあなたに伝えたいこと
10年かけて、やっと気づいたことがあります。
「しんどい」に、はっきりした理由はいらない。
「最悪じゃない」は、続ける理由にはならないんです。
朝、胸が重いのが2年続いているなら、それはもう十分しんどい。
100人以上面接してきて、ひとつだけ確信していることがあります。
事務職で長く活躍している人のほとんどは、
資格や経歴がすごい人じゃなくて、
「自分に合った場所」をちゃんと選び直せた人です。
一歩目が一番重いのは、私もよくわかっています。
でも、もしあの頃の自分に声をかけられるなら、こう言いたい。
「辞める理由じゃなくて、変えたい理由でいいよ」って。
もう少し詳しい話や、私がどう動いたかは、プロフィール欄にまとめています👇
同じ気持ちでいる人に、少しでも届けばうれしいです。
今日も、気を張ってる自分を、ちょっとだけ労ってあげてくださいね。