医療事務の面接で受かる人の特徴5つ|元採用担当が本当に見ていたこと
採用面接では「スキルの確認」より「一緒に働けるかの見極め」に多くの時間を使っていました。受かる人と見送られる人の差を、率直にお伝えします。
① 医療事務を選んだ動機に「自分の言葉」があるか
面接では、まず「なぜ医療事務を選んだのか」を確認していました。
「資格があったので」と言われても、本音を言えばあまり刺さりませんでした。資格は動機ではなく手段だからです。
ある未経験の人の一言が、今も忘れられません。
「祖母の入院中、病院の事務の方が家族にも声をかけてくれた。あの温かさを自分もつくりたい」その人は採用後、本当に患者さんから名前で呼ばれる存在になりました。
元採用担当の本音動機に正解はありません。でも、自分の言葉で話せる人は、それだけで印象が大きく変わります。
印象に残った志望動機には、ほかにもこんな例がありました。
- 「地域に根ざした総合病院で、顔の見える仕事をしたかった」
- 「前職の接客で、患者さんのことをよく聞く仕事に転向したくなった」
逆に、応募先の総合病院の診療科や理念を1つも調べてこなかった人は、ほぼ通過しませんでした。公式サイトを3回読み込むだけで、十分に差がつきます。
志望動機をまだ言葉にできていない場合は、先に医療事務の志望動機の作り方と例文で「なぜ医療事務か」を整理しておくと、面接で話す軸が作りやすくなります。
自己点検のヒント:志望動機を声に出したとき、「他の病院でも言える内容」になっていないか確認してください。
応募先の名前を別の病院に差し替えても成立する動機。これはほぼ刺さりません。
② 「大変だった経験」の伝え方で差がつく
「仕事で大変だったことを教えてください」も、ほぼ必ず聞いていました。
見ていたのは「どんな大変さか」ではなく、「そのあとどうしたか」です。
月末月初の繁忙期、入職直後にミスが重なって限界だった、と話す人がいました。でもその人は「自分で対策ノートを作って、同じミスを繰り返さないようにしました」と話してくれた。
大変さを乗り越えた「自分の工夫」がある人。そういう人は現場に入っても長く続く傾向がありました。
- 「大変でした」で終わる → 乗り越えた話がない
- 「こう工夫して乗り越えました」 → 成長のことがある
- 失敗を素直に話しながら、学びにつなげられる
自己点検のヒント:大変だった経験を話すとき、「事実→工夫→結果」の3つが含まれているか確認してください。
事実だけで終わると、苦労話のままで終わります。
③ 医療事務で長く続く人が持っている「正直さ」
医療事務の現場は、知らないことに出会う出来事の連続です。制度改定、算定ルールの変更、電子カルテの仕様変更。
そのとき「わからないので確認します」と言える人が、結局長く続きました。
知ったかぶりで答えた結果のミスは、レセプトに直結しますからね。素直さは、医療事務にとって「守りの技術」です。
元採用担当の本音完璧な答えより、誠実な姿勢。面接はテストではなく、その人を知る場所です。
面接の場でも、知らない医療用語が出てきたら「不勉強で恐縮です。入社後にすぐ学びたい内容です」と返せば十分でした。
取り繕う人より、はっきり「わかりません」と言える人のほうが、現場でも安心して仕事を任せられます。知らないことを隠さない姿勢は、入職後のミスを防ぐ第一歩だからです。
④ 逆質問で「この人を採りたい」と思わせる
「何か質問はありますか?」のときに「特にないです」と答える人は少なくありませんでした。でも、逆質問がある人の印象は明らかに違いました。
特に印象に残っているのは、「配属後、どういうステップで業務を覚えていけますか?」と聞いてくれた人です。入職後を具体的にイメージしている人は、採用後も自分で動ける方が多かったです。
その場で使える逆質問の方向性:
- 入職後の業務イメージを深める質問(業務フロー・教育体制)
- 長く続けている人の特徴を聞く質問(職場文化)
- 自分が貢献できることを聞く質問(評価軸)
実際に採用された人が、面接の最後にこう聞いていました。
- 月末月初の業務フローを教えてください
- 新人の教育体制はどうなっていますか
- 医療事務の中でキャリアアップした方の事例はありますか
- 一日の業務の流れを教えてください
- 入職後、最初の3か月で覚えるべき業務の優先順位はありますか
病院への関心と、自分がどう働くかへの関心がセットになっている質問は、印象に残りやすいものです。
逆質問だけを重点的に準備したい場合は、医療事務の面接で使える逆質問7つに、聞き方と避けたい質問をまとめています。
⑤ 退職理由の「言い方」で印象が大きく変わる
採用する側で特に注意して聞いていたのが退職理由でした。前の職場を悪く言う人は、どれだけスキルがあっても採用を見合わせることがありました。
理由はシンプル。「うちの職場のことも、将来そう話すかもしれない」と思うからです。
退職理由はネガティブな事実でも、言い方次第でプラスに変えられますよ。
自己点検のヒント:退職理由を話すとき、主語が「前の職場」になっていないか確認してください。
「自分が何を求めたいか」を主語にすると、自然に前向きな言い方へ変わります。
退職理由は事実でOKですが、学びと次への意欲をセットにして話すと、元採用担当の耳が変わります。
最初の3分と、面接中に見ていた5つのこと
採用側に回って一番驚いたこと|最初の3分で印象が固まる
採用側に回る前は「資格と経験で決まるのだろう」と思っていました。実際に面接側に座ると、印象は最初の3分でほぼ固まりますよ。
あいさつ・表情・姿勢・声のトーン。ここで、この人とチームを組めるかの第一印象が決まってしまいますね。
だからこそ、対策する順番は次の通りです。
- 入室から最初の30秒のあいさつ・アイコンタクト・着席を声に出して練習する
- 志望動機と退職理由を30〜60秒で言い切れるよう要約する
- 逆質問を2〜3つ用意しておく
人手が足りない時期ほど現場は切実。「明日からチームに入ってほしい」と思える方が選ばれます。
元採用担当が面接中にチェックしている5つのこと
- 時間を守れるか=到着時刻・スケジュール意識
- 質問の意図を読めるか=聞かれたことに答えているか
- チームで働く姿勢があるか=「自分が・自分が」になっていないか
- 学ぶ姿勢があるか=未経験ほど大事
- 健康・生活リズムが整っているか=長く続けられるか
この5つは、スキルがなくても採用された人に共通していました。逆に、医療事務の資格を3つ持っていても、この5つのどれかが欠けていると見送りに傾きますね。
医療事務の面接で落ちる人の共通点TOP3
元採用担当として3年、多くの人を見てきた中で、残念ながら不採用になった人には共通するパターンがありました。3つに絞って率直に書きます。
第1位:前職・前々職の悪口を言う
退職理由を聞かれて、前の職場の人・制度・給与への不満を吐き出してしまうパターンです。どれだけ正当な理由でも、聞き手の印象は「この人はうちでも同じことを言うかも」に傾きます。
対処法: 事実は変えず「次の職場で何を実現したいか」に言い換える。
第2位:質問への答えが長すぎる
緊張すると言葉が止まらなくなる気持ちはわかります。でも1つの質問に3分以上話す人は、ほぼ不採用になっていました。
採用する側は「要点を簡潔に伝えられるか」を見ています。医療事務は患者さん・医師・看護師との連携業務。伝達の簡潔さは、そのまま業務適性のサインです。
対処法: 1質問につき「結論30秒+補足1分」以内を目安に。
第3位:逆質問ゼロ+表情が硬い
「特にありません」で終わる人は、志望度が低いと判断されがちです。加えて面接中の表情が硬すぎると、面接官は「患者さんの前でも笑顔が作れないかもしれない」と心配します。
対処法: 逆質問を最低2つ準備+面接前に口角を1分上げるだけで印象が変わります。
TOP3のほかに、見送りに傾いたこと
志望動機が「条件」だけ
「家から近いから」「シフトが合うから」「お休みが取りやすそうだから」
これ自体は悪くないのですが、これ"だけ"だと選ばれません。条件+仕事への関心のセットが必要です。
質問の意図を外した答えを返す
「医療事務を選んだ理由」と聞いているのに、前職の愚痴を延々と話す。「苦手なことは何ですか」と聞いているのに、強みの自慢をする。
聞かれたことに答える。この基本がどれだけ大事か、面接官をやって実感しました。
身だしなみが業務とズレている
派手すぎるメイク、強い香水、爪の長さ。総合病院の医療事務は患者さんに近い職種です。清潔感と控えめさが業務の一部。
ここが合っていないと難しいです。「現場に立ったとき、患者さんがどう感じるか」を想像してしまいます。
メモを取らない・姿勢が悪い
説明されていることをメモしない、椅子にもたれる、スマホを机に置きっぱなし。
「この方、入職後に注意されたとき素直に直せるかな」と想像して、見送ることが多々ありました。
受付スタッフへの態度が雑
意外と知られていません。面接前後の受付対応の様子は採用側に届きます。「面接の前にこんな様子でした」と教えてくれる受付スタッフがいる病院は珍しくありません。
未経験でも通過率を上げる、差別化ポイント
未経験で面接に臨む時に、元採用担当として一番伝えたいこと。
経験者と同じ土俵で勝負しなくていい。これに尽きます。
未経験者が評価されるのは、素直さ・学ぶ姿勢・誠実さの3点です。スキル勝負ではなく、人柄と学習姿勢で選ばれます。
「今、何を勉強しているか」を具体的に言える
未経験から採用された人は、「今、何を勉強しているか」を具体的に言える人でした。
- 医療事務の通信講座を受講中で、教材名まで言える
- YouTubeで保険請求の基礎を勉強している
- 本を買って読んでいて、タイトルも具体的に出せる
- 調剤薬局のパートで医療現場の雰囲気に触れている
「入職後に頑張ります」より、「今これをしています」と言える方が圧倒的に通過率が高いです。「動いている事実」は経歴の不足を補います。
未経験で採用された方の具体エピソード
ある20代女性は、未経験ながら「医療事務の通信講座を受講しながら、週末は調剤薬局のバイトで医療現場の雰囲気を知ろうとしている」と話しました。
「今、動いている」という事実は、強烈な印象を残し、採用の決め手になることもあるほどです。
私自身も、医療事務に就く前は別業種にいました。総合病院で10年以上働いてきた今振り返ると、最初に選ばれた理由は資格ではなく「素直に教えを受け入れる姿勢」だったと思います。
タイプ別・つまずきどころ
私が元採用担当として見てきた限り、応募者のタイプによってつまずきどころが違います。
未経験・新人さん
- 資格より「今動いている事実」を伝える
- 「未経験ですが頑張ります」で終わらせない
- 「○○の通信講座を受講中で、月末までに修了予定です」のように期日を入れる
経験者・中堅
- 前職の不満が言葉の端に出ないよう注意
- 「即戦力です」と言うだけで終わらない
- 電子カルテ・レセコンの種類が違う場合は素直に伝えキャッチアップ姿勢を示す
復職組(ブランクあり)
- ブランクを謝罪から入らない
- 家庭と仕事の両立イメージを言語化する
- 直近の診療報酬改定に1つでも触れる
40代以上
- 過去の職位を語りすぎない
- 年下の上司・同僚への姿勢に触れる
- 体力面の不安への配慮を示す。健康診断や通勤手段のことでよい
応募前に使う自己点検チェックリスト
応募ボタンを押す前に、次の10項目をチェックしてみてください。1つでも×が付くなら、面接の準備が不足しているサインです。
絶対にやってはいけない面接NG行動3つ
スキルや経歴以前に、これをやると一発で評価が落ちるラインがあります。服装と前職の悪口は前述のとおりです。
医療事務の労働環境や仕事内容は、厚生労働省の職業情報提供サイト job tag「医療事務」でも確認できます。
応募前の業界理解にも役立ちます。
同じページの「就業するには?」に並ぶのは、面接で見られる資質そのもの。
診察料と投薬料の点数など簡単な計算から始めて経験を積み、次第にレントゲンや注射、検査、手術、入院料など複雑な点数計算をするようになる。経験を積み重ね、多くのケースをこなして仕事に習熟してゆく。
書類に転記し点数を計算する反復作業のため、集中力を切らさず着実に仕事をこなせる粘り強さが求められる。また、見落としや間違いに気付く注意力が求められる。
出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)「医療事務」(2026年9月18日確認)
粘り強さと注意力。面接で私が見ていたのも、結局はこの2つでした。
医療事務の面接前日にやっておきたい3つのこと
① 志望動機を「自分の言葉」で声に出す
原稿を読まず、鏡の前で一度声に出してみてくださいね。スムーズに話せると、当日の緊張が全然違います。
② 持参書類を前日に確認する
履歴書・職務経歴書・資格証明書。当日に慌てないよう、前夜のうちにクリアファイルに入れておくのがおすすめです。
③ 通勤ルートを確認する
当日の遅刻は致命的です。乗換案内を前日に確認して、5〜10分前に到着できるよう余裕を持ちましょう。
前日・当日の最終チェック
元採用担当の視点で、これをやっておけば大丈夫と言えるものを並べます。
- [ ] 履歴書の写真が3か月以内のものか確認する
- [ ] スマホはマナーモード、できれば電源オフ
- [ ] 受付では「○時に面接をお約束している○○です」と名乗る
- [ ] 鏡でメイク・髪・爪・服装を最終確認する
- [ ] 香水は控える。医療現場ではなおさら
書類の時点で不安がある場合は、面接練習の前に医療事務の履歴書の書き方を見直しておくと、志望動機と自己PRのズレを減らせます。
詳しい逆質問20選とNG逆質問の業界別リストは、有料note完全対策で全公開しています
面接で緊張してしまう時は
緊張は当たり前です。多くの方の面接の場に入ってきた経験から言うと、緊張していない方の方が少なかったくらいでした。
緊張しているなら、それだけ本気です。 うまく話せなくても大丈夫です。
飾らずに、自分の言葉で話してくれた方が、こちらにはずっと伝わります。
詰まったときは「少し緊張していて、考えをまとめさせてください」と一言挟めば、間が空いても印象は下がりません。沈黙より、素直な一言のほうが好印象です。
元採用担当の本音面接官は敵ではありません。一緒に働けるかどうかを確認しに来ている人間です。
面接に落ちても、それで価値が下がるわけではありません。その職場と合わなかっただけです。次に進んでください。
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体系的に面接対策を学びたい時は
医療事務の面接対策|元採用担当3年の視点
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よくある質問(FAQ)
Q1. 未経験でも医療事務の面接は受かりますか?
十分に可能です。採用する側で見ていたのはスキルより「職場に馴染める人かどうか」でした。動機と誠実さが伝わる人は、未経験でも採用になるケースは多くあります。
Q2. 志望動機がうまく作れません。どうすればいいですか?
「なぜ医療事務か」より「なぜこの病院か」を深掘りするのが効果的です。「近いから」でも、「長く腰を据えて働きたい」の本音につなげれば、それで十分でしょう。
Q3. 面接で「長所・短所」を聞かれた時の答え方は?
短所は「できない」で終わらせず、「こう改善している」まで話します。
例えば「焦りやすい性格ですが、業務前にタスクをリスト化するようにしてから落ち着いて動けるようになりました」と話せると好印象です。
短所は完璧主義です。これはもう通用しませんよ。元採用担当から見ると、用意された模範解答が透けて見えます。
自己理解の深さ。入職後の成長スピードと相関します。
Q4. 逆質問で「特にありません」は印象が悪いですか?
率直に言うと、やや印象は薄くなります。事前に2〜3個用意しておくだけで大きく変わります。「入職後に一番大変なことは何ですか?」は答えやすく、かつ意欲が伝わる良い逆質問です。
Q5. 複数の病院を受けていることを聞かれたらどうすればいい?
素直に答えて問題ありませんよ。「はい、選考中の病院がありますが、御院が第一志望です」と伝えるのが一番誠実です。
Q6. 面接に落ちた後、何かできることはありますか?
「どの質問で詰まったか」を振り返ると次回に活かせます。また、転職エージェントに相談すると、面接後のフィードバックをもらえることもあります。
フルリモート含む医療事務の求人探しについては 【2026年版】医療事務のフルリモート求人は本当にある?元採用担当が実体験で解説 も参考にしてください。
Q7. 面接で「給与・残業」のことを持ち出すのは失礼ですか?
聞くこと自体は失礼ではありません。ただ、聞き方と時期で印象が変わります。
一次面接でいきなり金額を聞くより、まずは残業の目安やシフトの組み方など働き方を尋ね、金額の細部は最終面接や内定後に「内定後に詳細を伺えますか」と切り出すほうが、「条件だけで選んでいる」の印象を避けやすくなります。
求人によっては一次面接から待遇の質問を歓迎するところもあるので、選考の雰囲気に合わせてください。
Q8. 服装はスーツでなくていい?
スーツが無難です。オフィスカジュアル指定でない限り、黒・紺のスーツ+白シャツで臨みます。医療事務は清潔感が重視される職種です。
Q9. 資格がなくても大丈夫?
今すぐ受けるなら、なくても大丈夫です。ただし、「今勉強している最中です」「○月に受験予定です」と言えると印象が変わります。
Q10. 面接後のお礼メールは送った方が良いですか?
必須ではありませんが、送ると印象に残ります。3〜4行の簡潔な文面で構いません。
Q11. 通勤距離が長くても問題ないですか?
長く続けられるかが見られます。私自身、片道50kmの高速通勤を続けた経験がありますが、生活への負担は想像以上でした。応募の段階で生活設計とセットで考えるのが安心です。
面接の前夜に見返す3行
- 元採用担当が見ているのはスキルより「伝え方」と「正直さ」
- 逆質問・退職理由・志望動機は事前に声に出して練習しておく
- 落ちても価値が下がるわけではない。その職場と合わなかっただけ
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著者プロフィールゆう|総合病院で医療事務10年以上。うち3年間は元採用担当として多くの方を面接。現在はフルリモートの医療事務として算定業務を担当。3児の父。「もうひとりで悩まない医療事務」を届けるため発信中。
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最終更新日:2026年9月23日