「せっかく医療事務になったんだから、辞めない方がいいよ」 「病院なら潰れないし、安定してるじゃない」

仕事が辛くて誰かに相談した時、こんな言葉を返されて、口をつぐんでしまった経験はありませんか?

親、友人、あるいは別業界のパートナー。 彼らはあなたのことを心配して言ってくれているのでしょう。悪気がないことは分かっています。

でも、元病院の採用担当として、そして一人の労働者として、私はあえて言いたい。

「医療事務は安定している」と言う人ほど、その現場で1秒たりとも働いたことがありません。

彼らが見ている「安定」と、あなたが現場で感じている「地獄」。 今日は、この決定的なズレについて、少し深くお話しさせてください。

外野が見ている「安定」の正体

現場を知らない人が言う「安定」とは、あくまで「組織の存続性」の話です。

  • 病院は簡単には潰れない

  • 給料やボーナスが(金額はともかく)必ず出る

  • 冷暖房完備のデスクワーク(に見える)

確かに、企業の倒産リスクという意味では、医療業界は安定しています。 しかし、そこで働く「人間(あなた)」の精神状態が安定しているかどうかは、全く別の話です。

理不尽な患者さんからのクレーム。 医師と他職種の板挟み。 終わりの見えないレセプト残業。 閉鎖的な人間関係と、独特のヒエラルキー。

外からは見えないこの高ストレスな環境下で、心をすり減らしながら働き続けること。 それを彼らは「安定」と呼びますが、私はこう呼びます。

「緩やかな自壊」だと。

「ここに居続けること」の方が怖い

「安定しているから」という理由だけで、違和感のある場所に留まり続けることには、大きなリスクがあります。

それは、「外の世界で戦う気力」すら奪われてしまうことです。

毎日ギリギリの精神状態で働いていると、「新しい環境に飛び込むエネルギー」なんて残りません。「辛いけど、転職活動する元気もないし、まだ給料は出るから…」と現状維持を選んでしまう。

これこそが、一番恐ろしい事態です。

気づいた時には、心身ともにボロボロになり、年齢だけを重ね、いざ本当に逃げ出そうとした時にはもう動けない。 「安定」という名のぬるま湯は、時に茹でガエルを生み出す檻になります。

あなたの「違和感」が正解です

もし今、あなたが「辞めたい」「ここは私の居場所じゃない」と感じているなら。

その直感は、100%正しいです。

どれだけ周りが「もったいない」と言おうが、「甘えだ」と言おうが、あなたの心のセンサーが鳴らしている警報を無視してはいけません。 その違和感は、あなたの心が壊れる前に発してくれた、生存のためのSOSだからです。

さいごに

「安定」とは、組織にしがみつくことではありません。 「どこに行っても、自分らしく生きていける」という自信を持つことこそが、本当の意味での安定です。

周囲の雑音に、耳を貸す必要はありません。 現場の辛さを知らない人の無責任な「安定論」より、毎日そこで戦っているあなた自身の「感覚」を信じてあげてください。

「逃げる」のではありません。 あなたの心が笑える場所に、「移動」するだけなのですから。

自己紹介をチェックしてみてください✅

#医療事務 #退職 #転職 #メンタルヘルス #働き方 #キャリア #HSP #仕事辞めたい #元採用担当 #エッセイ