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医療事務のベースアップ評価料報告書|提出前に確認する4つの順番

受付・算定・レセプトby ゆう|医療事務ブロガー公開日 2026/08/30|最終更新 2026/09/18

「実績報告書と中間報告書、うちは両方いるの?」

「様式100を開いたけれど、どの数字から確認すればいい?」

ベースアップ評価料の報告書は、Excelを開いた瞬間に迷いやすい仕事です。数字が多いからではありません。

先に選ぶべき報告書と、見る期間を取り違えると、あとで全部を見直すことになるからです。

この記事では、令和8年8月提出分について、医療事務が最初に確認する順番から。個別の金額や記載内容を断定する記事ではありません。

迷った時に、どの公式資料とどの窓口へ戻るかを決めるための記事です。

この記事でわかること

  • 令和8年8月31日までに必要な報告書の見分け方
  • 令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書の違い
  • 公式Excelを開いてから確認する順番
  • 提出後や訂正が必要かもしれない時に、先に確認すること

結論から言うと、数字を入力する前に、「いつから算定したか」「今年8月に出すのはどの報告書か」「厚生労働省の最新Excelか」の3点を確認します。ここをそろえると、分からない項目が出ても、院内で確認すべき資料と相談先が見えます。

今やること届出控えを出して、ベースアップ評価料を最初に算定した月を見る。そこで出す報告書が決まる。
▼ 確認する順番を見る

この記事を書いた人

ゆう|総合病院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモートで算定業務を担当

この記事は、医科・歯科の保険医療機関向けに確認の順番を整理したものです。保険薬局、訪問看護ステーション、歯科技工所は様式が異なります。最終的には、所在地を管轄する地方厚生(支)局の最新案内と院内の確認ルールを優先してください。

提出前に確認する順番は4つです

まずは、Excelに数字を入れません。

確認の起点は、届出控えです。

厚生労働省の手引きでは、令和8年8月に提出する書類を、ベースアップ評価料を算定し始めた時期で分けています。手引きの原文どおりに並べると、こうです。

いつから算定しているか 令和7年度の算定・賃金改善実績について 令和8年度の6〜7月分の算定・賃金改善実績について
令和8年5月以前から算定している保険医療機関 令和7年度「賃金改善実績報告書」を提出 令和8年度「賃金改善中間報告書」を提出
令和8年6月以降にはじめて算定する保険医療機関 対象外 令和8年度「賃金改善中間報告書」を提出

出典:厚生労働省「ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書・中間報告書の提出の手引き 医科・歯科版」2ページ/2026年9月18日に確認

前年のファイルを開く前に、算定開始月を院内の届出控えで確認しておきますね。数字はそのあとです。

1. いつから算定したかを確認する

令和8年5月以前から算定している保険医療機関は、令和7年度分の「賃金改善実績報告書」と、令和8年度6〜7月分は「賃金改善中間報告書」のほうですね。確認する書類は、二つ。

令和8年6月以降に初めて算定した保険医療機関は、中間報告書が対象。

「今も算定しているか」だけで決めないでください。届出控え、受理された評価料、いつから算定したかを並べて確認します。

先に見る欄は、算定開始月です。確認材料は、届出控え。

院内で確認するときのひとこと

「今年8月の報告書を確認したいです。ベースアップ評価料を最初に算定した月と、受理されている評価料を見せてもらえますか」

2. 年度ごとに別の様式を選ぶ

令和7年度分は、病院・有床診療所用と、診療所・歯科診療所用で報告書様式が分かれます。ここが一つ目の分岐です。

令和8年度分は、病院・診療所・歯科診療所共通の「R8実績・中間報告書(病院・診療所用)」を使います。このファイルには様式100があります。

通常は「様式100別添1」です。同一給与体系の法人内で複数の保険医療機関を通算して届出している場合は、「様式100別添2」の対象。ここが二つ目の分岐です。

古いファイルを使い回す前に、厚生労働省の特設ページから最新版を取り直してください。令和8年度の様式は、令和8年7月30日に更新されています。様式選択の基準は、最新ファイル。

様式の取り直しから。

3. 期間と提出書類の種類を先に入れる

令和8年度の中間報告書は、令和8年6月から7月までの算定・賃金改善実績を報告する書類です。令和8年7月から算定を始めた場合は、対象期間が令和8年7月だけです。

令和7年度の実績報告書は、賃金改善を実施した期間と、ベースアップ評価料を算定した期間を確認します。手引きは、この2つの期間を一致させるよう示していました。

集計の前に、期間の確認です。

期間が決まらないまま金額を集め始めると、あとから集計の範囲が変わります。まず期間、次に様式、最後に数字の順でした。

4. 手入力欄と自動計算欄を分けて見る

令和8年度の中間報告書では、「別添2」で届出事項を確認し、「様式100別添1」で中間報告書を選びます。オレンジ色の欄が入力・確認する欄で、薄緑色の欄は自動計算です。

職種ごとの常勤換算数と基本給等総額を先に入れると、対象職員全体の欄は自動計算されます。該当しない項目も、手引きどおり「0」を入れる欄があります。

常勤換算数でつまずきやすいのが、常勤職員がいない診療所です。ここは令和8年9月2日の疑義解釈に答えがあります。

問1 ベースアップ評価料等の対象職員において、常勤職員がおらず非常勤職員のみで運営している保険医療機関等の場合、対象職員の常勤換算数はどのように算出するか。
(答)非常勤の対象職員の1週間における所定労働時間の合計を「32 時間」で除して、常勤換算数を算出する。

出典:疑義解釈資料の送付について その12/令和8年9月2日 事務連絡 別添2/2026年9月18日に確認

割る数は40時間ではなく32時間。ここを間違えると、常勤換算数がまるごとずれます。

空欄のままにすると判別式が正しく出ないため、入力前に手引きの該当ページを見直しましょう。入力順の基本です。

入力の前に、色分けを確認です。

見落としやすい箇所は、空欄。

数字を集める前のひとこと

「この欄は、どの月の給与データを使うかを先にそろえたいです。賃金改善の開始月と、比較する給与体系を確認してから集計します」

送る形がそろっていないと、出し直しになります

令和8年度の提出期限は、令和8年8月31日(月)でした。提出先は、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局の都道府県事務所。

期限を過ぎてしまった場合の扱いは、次の章にまとめました。

提出は原則として、公式のExcelファイルをメールに添付する形。手引きには、送るメールの形がそのまま図で載っています。

報告書の提出の注意点の図。報告書のファイルについて、様式は必ず厚生労働省または地方厚生局が提供しているExcelファイルでの提出をお願いしますと書かれ、対応不可としてPDF・Zipファイル・スプレッドシート、独自に作成や加工したExcelファイル、新たにパスワードを設定したExcelファイル、OneDrive等の共有リンクが挙げられている。右側はメールの例で、宛先がmhlw.go.jp、添付が9999999_令和7年度ベースアップ評価料賃金改善実績報告書.xlsxと9999999_令和8年度ベースアップ評価料賃金改善中間報告書.xlsxの2つ、本文に医療機関名と電話番号が入っている。

出典:厚生労働省「ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書・中間報告書の提出の手引き 医科・歯科版」37ページ/2026年9月18日に確認/画像はタップで拡大

手引きの原文は、こうでした。

●報告書のファイルについて
様式は必ず厚生労働省または地方厚生局が提供しておりますExcelファイル(4ページ)での提出をお願いいたします。
【対応不可】
●PDF,Zipファイル,スプレッドシート
●独自に作成・加工したExcelファイル
●新たにパスワードを設定したExcelファイル
●OneDrive等の共有リンク
⇒地方厚生(支)局が、データの確認ができません

出典:厚生労働省「ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書・中間報告書の提出の手引き 医科・歯科版」37ページ/2026年9月18日に確認

ファイル名にも決まりがあります。

●報告書のファイル名について
それぞれ、何年度の実績・中間報告書なのかがわかるようファイル名の記載をお願いいたします。
※9999999は医療機関コードになります。
各医療機関における医療機関コードを記載してください

出典:厚生労働省「ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書・中間報告書の提出の手引き 医科・歯科版」38ページ/2026年9月18日に確認

報告書 ファイル名
令和7年度実績報告書 9999999_令和7年度ベースアップ評価料賃金改善実績報告書.xlsx
令和8年度中間報告書 9999999_令和8年度ベースアップ評価料賃金改善中間報告書.xlsx

出典:同38ページ。9999999のところに勤務先の医療機関コードが入ります

送信前は、宛先、添付ファイル、年度名、報告書の種類の読み合わせ。ここまでが最終確認です。

送信前の読み合わせで使うひとこと

「令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書のどちらを添付するか、ファイル名と年度を一緒に確認してください」

期限を過ぎた場合の扱いが、9月1日に示されました

ここが、この記事を書いた8月末から変わった部分です。

令和8年9月1日に、厚生労働省保険局医療課から事務連絡が出ました。期限に間に合わなかった医療機関があったことを踏まえた取扱いです。原文を載せます。

今般、令和8年度診療報酬改定後、初回の報告書提出であり、作成に伴う疑義が多く生じたこと等により、期限までの提出に間に合わなかった保険医療機関等があったことを踏まえ、下記のとおり取り扱うこととしたので、ご了知いただくとともに、貴管下の保険医療機関等に対し周知を図られたい。
               記
 令和8年度における当該報告書の提出期限は、令和8年8月31 日であったが、やむを得ず提出期限を超過している場合においては、当該報告書を可及的速やかに地方厚生(支)局長宛てに提出すること。
 なお、今後の当該報告書の提出にあたっては、ベースアップ評価料に係る特設ページに掲載している最新の様式によること。

出典:ベースアップ評価料等に係る賃金改善実績報告書(令和7年度分)及び賃金改善中間報告書(令和8年度分)の取扱いについて/令和8年9月1日 保険局医療課事務連絡/2026年9月18日に確認

読みどころは2つ。

書いてあること 実務でどう動くか
やむを得ず期限を超過している場合は可及的速やかに提出 今からでも出す道が残されている
今後の提出は特設ページの最新の様式による 8月に落とした手元のExcelを使い回さず、取り直す

「間に合わなかったから、もう出せない」ではありません。今から出す、が答えでした。

訂正と、診療報酬請求のことは分けて考える

送信後に数字の違和感に気づいた時も焦りますよね。ただ、報告書の訂正と、診療報酬請求の対応は同じではありません。ここは切り分けが必要です。

「国保ならこうする」「社保なら必ず取下げる」といった伝聞だけで、請求の修正や取下げを決めないでください。

請求のほうは、令和8年8月19日の事務連絡にこう書かれています。

今般、「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」、(中略)及び「看護職員処遇改善評価料」に係る診療報酬請求について、保険医療機関等より提出された施設基準の届出と請求内容に疑義が生じているところである。
 令和8年6月及び7月診療分に係る診療報酬請求については、診療報酬改定に伴う対応が多岐に渡ったことを踏まえ、審査支払において特段の対応を行うよう、調整を図ったところである。
 令和8年8月診療分以降の診療報酬請求に当たっては、上記事務連絡を参考としつつ、各保険医療機関等において施設基準の届出内容を改めて確認の上、適切な請求を行うよう、貴管下の保険医療機関等に対して周知徹底を図られたい。

出典:ベースアップ評価料等に係る診療報酬請求について/令和8年8月19日 保険局医療課事務連絡/2026年9月18日に確認

6月・7月診療分と、8月診療分以降で書き方が変わっています。

前の2か月は審査支払で特段の対応が図られ、8月分からは届出内容を確認したうえで適切に請求。ここが分かれ目です。

まず残す記録は、送信したファイル、送信日時、気づいた項目、根拠にした届出控え。ここまでが訂正時の材料になります。

そのうえで、所在地を管轄する地方厚生(支)局へ、提出状況と訂正に必要な対応をたずねてください。

請求にも関わる可能性がある時は、受理内容、請求内容、レセコンの設定を分けて確認しましょう。

確認先の整理です。

確認先へ伝えるひとこと

「ベースアップ評価料の報告書について、提出状況と訂正が必要な項目を確認したいです。必要な対応と提出先を教えてください」

この順番なら、急いでいる時も「誰が何を決める話か」を混ぜずに済みました。急ぐ時ほど、確認先は一つに絞りますね。

よくある質問

Q. 令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書は、両方必要ですか?

令和8年5月以前から算定している場合は、両方を確認します。令和8年6月以降に初めて算定した場合は、中間報告書が対象です。

最終判断は、届出控えと所在地を管轄する地方厚生(支)局の案内で確認してください。

Q. 令和8年度中間報告書は、何月分を書きますか?

令和8年6月から7月までの算定・賃金改善実績を報告します。令和8年7月から算定を始めた場合は、令和8年7月分です。対象期間の確認が先ですね。

Q. 様式100の別添1と別添2は、どちらを使いますか?

通常は様式100別添1です。同一給与体系の法人内で複数の保険医療機関を通算して届出している場合は、様式100別添2の対象です。届出時に通算していたか。確認の根拠は届出控えです。

Q. オレンジ色の欄を全部埋めても、「賃金改善額充当不足」と表示されます。

中間報告書では、その表示でも提出できる案内があります。ただし、空欄があると正しく判別されません。先にオレンジ色の欄と、該当なしの「0」の入力を見直します。

金額の意味が不明な時は、院内の給与資料と手引きの照合です。

Q. 提出後に誤りへ気づいたら、すぐ請求を取下げますか?

報告書の誤りだけで、請求の対応は決められません。まず受理された評価項目と請求内容を別に確認し、報告書の訂正は地方厚生(支)局へ確認します。

請求の扱いは、院内の担当者やレセコンの案内も含めて、根拠をそろえて判断します。まず根拠から。

報告書は数字より先に、年度と様式をそろえる

  1. 算定開始月から、必要な報告書を見分ける。期限の令和8年8月31日を過ぎていても、可及的速やかに提出する取扱いが9月1日に示された
  2. 令和7年度実績と令和8年度中間は別様式。最新版の公式Excelを使う
  3. 訂正や請求のことは混ぜず、届出控えと受理内容を確認してから管轄の地方厚生(支)局へ相談する

報告書は、一人で正解を作る仕事ではありません。まず年度、様式、期間をそろえる。そこから数字を確認すれば、相談する時に何を聞けばいいかがはっきりします。

この記事で確認した一次資料

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最終更新日:2026年9月18日

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