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医療事務の算定が覚えられない…全部覚えずに乗り切る調べ方3つ【10年目】

新人さんへby ゆう|医療事務ブロガー公開日 2026/06/19|最終更新 2026/09/18

「算定が覚えられない」「量が多すぎてついていけない」そう感じて、自分だけできないのかなと落ち込んだことはないでしょうか。

この悩みに、総合病院で医療事務10年以上、元採用担当3年の私がお答えしますね。

この記事でわかること

  • 算定が覚えられないのは「能力のせい」ではない理由
  • 「全部覚える」が無理な3つの理由(具体例つき)
  • 覚えておきたい基本と、調べればいいことの線引き
  • 全部覚えずに乗り切る調べ方の3ステップ
  • 告示と通知の原文が実際どう書かれているか(外来管理加算で実演)
  • 「根拠メモ」の作り方と、迷ったときに確認する情報源

結論から言うと、
算定は全部を暗記するものではありません。
覚える量を増やすより「迷ったときに正しく調べられること」のほうが、現場では確実です。

10年以上やっている私も、全部は覚えていません。
今も毎回、診療点数早見表で確認していますよ。

今やること迷った項目を1つ選んで、早見表の該当ページと通知の原文を開く。その場所を根拠メモに書き写す。
▼ 調べ方の3ステップへ


医療事務の算定が覚えられないのは、能力のせいではありません

医療事務を始めた頃、
「覚えられないのは自分だけかもしれない」と落ち込んだ時期がありました。
先輩はすらすら計算しているのに、自分は点数表ばかり見ている気がしたからです。

でも医療事務10年以上たった今、はっきり言えます。
算定は、覚えられないのが普通です。
よく出る算定はベテランほど頭に入っています。ただ、全部を暗記している人はいません。

元採用担当として、たくさんの新人さんを見てきました。そこで感じたことがあります。
算定が完璧な人より、分からないことを放置せず、調べて確認できる人を評価していました。
暗記の量より、確認する姿勢。そのほうが、現場では信頼されていました。
採用する側が新人さんのどこを見ているかは、「使えない新人」と言われる人の共通点にもくわしくまとめました。

「全部覚える」が無理な、3つの理由

まず、無理な理由から。

そもそも算定は、暗記でカバーしきれない仕組み。
理由は大きく3つです。

覚えきれない理由 現場で起きること
量が多い 診療行為ごとに点数とルールがあり、数が膨大
条件で変わる 処置・検査の有無、初診・再診などで扱いが変わる
改定で変わる 2年に一度、対象やルールそのものが見直される

単純に、量が多い

初診料や再診料、投薬、検査、処置など、
診療行為ごとに、点数と算定ルールが決まっています。
併算定できるか、包括か出来高か、回数の制限はあるか。
こうした条件まで含めると、暗記しきれる量ではありません。

ベテランが速い理由は、暗記ではありません。
「どこを見れば書いてあるか」を体で覚えているからです。

同じ項目でも、条件で変わる

たとえば外来管理加算は、
同じ再診でも、処置や、超音波・内視鏡といった一定の検査をしなかったときに算定する加算です。

ただし「処置や検査がなければ算定できる」と単純ではありません。
前提があります。医師が症状を確認し、丁寧に説明や療養上の指導をしたこと。算定できない項目も個別に決められています。

つまり「この診療ならこの点数」と一本道では決まりません。
だから「一つ覚える」より、「条件で変わる」と知っておくこと。そのほうが、現場では役に立ちますよ。

2年に一度の改定で、やり方が変わる

診療報酬は2年に一度、改定で見直されます。

たとえば特定疾患療養管理料は、2024年の改定で対象の病気が見直されました。
高血圧症・糖尿病・脂質異常症は対象から外れて、生活習慣病管理料へ再編されています。
特定疾患療養管理料そのものがなくなったわけではありません。

このように、せっかく覚えても改定で扱いが変わることがあります。
暗記だけで追いかけ続けても、いつか無理が来る。

覚えるべきこと と、調べればいいこと の線引き

「全部は無理」と言っても、何も覚えないわけではありません。
基本だけ押さえて、細かいところは毎回調べる。
この線引きができると、日々の負担がぐっと軽くなります。

覚えておきたい基本 毎回調べていいこと
点数表の構造と「引き方」 個別の点数の数字
初診・再診など基本の考え方 細かい加算・減算の条件
よく出る算定の流れ めったに出ない算定
病院でよく使うルール 改定で変わった最新の扱い

基本①:点数表の「引き方」を覚える

診療点数早見表は、章・部・節と分かれていて、
診療行為ごとに振られているのが「区分番号」という分類。
そして各項目には「注」があり、加算や減算、算定の条件が書かれています。

点数だけ見て「注」を見落とすと、それがそのまま算定ミス。
だから数字の暗記より、区分番号と注の見方。こちらのほうが、ずっと応用が利きますよ。

基本②:初診・再診の考え方を押さえる

初診か再診か。ここが算定の出発点です。
同じ病気の治療が続いているか、前の治療が治癒・中止になっているか、医学的なつながりがあるか、診療録の記載はどうか。
こうした点から、総合的に判断します。

「間隔が空いたから初診」と単純には決まりませんし、予約の有無でも決まりません。
迷うことも多いので、最終的には病院の方針で確認を。

やりがちなNG勉強法と、身につくやり方

覚えようとして空回りしてしまう人には、共通点がありました。
やり方を変えるだけで、定着のしやすさは変わりますよ。

ありがちなやり方 身につくやり方
点数を丸暗記しようとする 点数表の「引き方」を覚える
答えだけメモする 答えと「根拠の場所」をセットでメモする
自己流で判断して進める 迷ったら根拠と人に確認する
一度で完璧を目指す 同じことを何度か繰り返して覚える

なかでも効くのが、メモの取り方。
答えだけ書いても、改定で変わると使えなくなります。
根拠の場所まで残しておけば、変わったときに見直せますね。

医療事務の算定に迷ったときの調べ方3ステップ

覚えていないことが来たときに、私が実際にやっている手順。
「立ち止まる → 根拠まで戻る → 根拠メモを残す」の順で進めます。

①「条件で変わるかも」と一度立ち止まる

迷ったら、すぐに答えを出さない。
これが一番の安全策です。

たとえば、さきほどの外来管理加算。
「この再診で算定できるか」は、その日の診療内容で変わります。
「これは条件で変わるかも」と一度立ち止まり、前提を確認してから動けば、ミスを大きく減らせます。

②答えが分かれたら、根拠まで戻る

人によって言うことが違うときは、誰が正しいかを探しても解決しません。

早見表のページや、改定の通知、病院のマニュアルなど、
根拠まで戻って確認するのが近道です。
どこにどう書いてあるかが分かれば、その場で判断できますし、後から聞かれても説明できます。

先輩によって言うことが違って板挟みになった時の抜け方は、医療事務で先輩によって言うことが違う時の対処法に詳しくまとめました。

③自分用の「根拠メモ」を残す

調べて分かったことは、自分用に書き留めておきましょう。
これが、次に同じときに迷わないための近道。
詳しい作り方は、次の章で紹介しますね。

算定を間違えると、レセプトが返戻(審査で認められず差し戻されること)になったり、査定で減点されたりして、病院の収入に直接ひびきます。だからこそ、なんとなくで進めず、根拠を確認することが大事です。

最終的なよりどころは、病院の方針と、厚生労働省や支払基金の正式な通知です。
迷ったら、そこまで戻って確認するのが安全です。

「根拠メモ」の作り方(具体例)

私は今も、このメモを開いてから算定します。

根拠メモは、ノートでもスプレッドシートでも大丈夫。
次の3点をセットで残します。

  • 迷ったこと:どんな状況で迷ったか
  • 調べた場所:早見表の該当ページ、通知、病院のマニュアルなど
  • 結論と条件:どういう条件ならどう扱うか

たとえばこんな形です。

迷ったこと:再診で外来管理加算を算定するか迷った
調べた場所:診療点数早見表の該当ページ/病院のマニュアル
結論:処置や対象の検査をしておらず、医師の説明など要件を満たせば算定できる

この形で残しておくと、改定で扱いが変わったときも「どこを見直せばいいか」がすぐ分かります。
覚える代わりに、自分専用の早見表を育てていく。そんなイメージです。

根拠まで戻る、を一度だけやってみる(外来管理加算)

根拠まで戻る。そう言われても、戻った先に何が書いてあるかを見たことがないと動けませんよね。

一度だけ、実際に開いてみます。さきほど出てきた外来管理加算です。

まず告示。点数と条件は、この一文だけ。

8 入院中の患者以外の患者に対して、慢性疼痛疾患管理並びに別に厚生労働大臣が定める検査並びに第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法、第9部処置、第10部手術、第11部麻酔及び第12部放射線治療を行わないものとして別に厚生労働大臣が定める計画的な医学管理を行った場合は、外来管理加算として、52点を所定点数に加算する。

出典:令和8年度 医科診療報酬点数表(告示) 第2章 第1部 初・再診料 A001 再診料 注8

短いですね。ただ、これだけでは「計画的な医学管理」が何を指すか分かりません。そこで留意事項通知を見ます。

(7) 外来管理加算

ア 外来管理加算は、処置、リハビリテーション等(診療報酬点数のあるものに限る。)を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるものである。

イ 外来管理加算を算定するに当たっては、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)を行い、それらの結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するため次の取組を行う。

出典:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発通知・別添1) 別添1 第1章 第1部 A001 再診料 (7)

ここからが、初めて読むと驚くところ。通知には診察室での言いかたの例が、そのまま載っています。

通知が挙げる取組 通知に載っている説明の例
1 問診し、患者の訴えを総括する。 「今日伺ったお話では、『前回処方した薬を飲んで、熱は下がったけれど、咳が続き、痰の切れが悪い。』ということですね。」
2 身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う。 「診察した結果、頸のリンパ節やのどの腫れは良くなっていますし、胸の音も問題ありません。前回に比べて、ずいぶん良くなっていますね。」
3 これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。 「先日の発熱と咳や痰は、ウイルスによる風邪の症状だと考えられますが、○○さんはタバコを吸っているために、のどの粘膜が過敏で、ちょっとした刺激で咳が出やすく、痰がなかなか切れなくなっているようです。症状が落ち着くまで、しばらくの間はタバコを控えて、部屋を十分に加湿し、外出するときにはマスクをした方が良いですよ。」
4 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う。 「他に分からないことや、気になること、ご心配なことはありませんか。」

出典:同通知 (7) イ「提供される診療内容の事例」

原文まで戻ると、留保も一緒に見つかる

この4つを見て「全部やっていないと算定できないのか」と思うかもしれません。通知は、その直後にこう書いています。

ウ 診察に当たっては、イに規定する項目のうち、患者の状態等から必要と思われるものを行うこととし、必ずしも全ての項目を満たす必要はない。また、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。

カ 投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。また、多忙等を理由に、イに該当する診療行為を行わず、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合にあっては、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。

「必ずしも全ての項目を満たす必要はない」と、「簡単な症状の確認等を行ったのみ…では算定できない」という2つ。要約された解説だと、片方しか載っていないことがあります。

原文まで戻ると、両方そろって出てきますね。

さらに、複数科を標榜している病院で働いている場合はここも。

エ 外来管理加算は、標榜する診療科に関係なく算定できる。ただし、複数科を標榜する保険医療機関において、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科において外来管理加算は算定できない。

読んでみると、覚えるほどの量ではないと感じませんか。覚える必要はなくて、「ここに書いてある」と知っていれば十分です。

根拠メモに残すのも、この場所そのもの。


迷ったら確認したい、信頼できる情報源

調べ方を持つには、確認する場所を知っておくと安心です。
最終的な運用は、正式な通知に反しない範囲で院内の手順が決まっている場合もあります。それでも、下の表の情報源は、最初に当たる場所として役立ちます。
迷う内容によって、見る場所を使い分ける。そのほうが早く答えにたどり着けます。

迷っている内容 まず見る場所
点数や区分番号、注の中身 紙の早見表 → しろぼんねっとで裏取り
改定で変わった最新の扱い 厚生労働省の改定資料・通知
公式の点数表をきちんと確認したい 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(旧・支払基金) 電子点数表
注の中身より詳しい条件・例外 厚生労働省の留意事項通知(保医発通知)の該当区分
勤務先での運用ルール 病院のマニュアル・先輩・上長

当サイトにも、算定項目・検査・薬剤名を1つの検索欄から探して厚生労働省の公式資料まで進める算定ナビを用意しています。登録不要で、正式名称が分からなくても略語やかな、9桁コードからでも探せます。

点数や注の中身は紙の早見表としろぼんねっとで、改定で変わった部分は厚生労働省の資料で確認する。この順番を決めておくだけで、迷った時にすぐ動けます。
ただし制度や点数は改定で変わるため、最終的な扱いは勤務先のルールと最新の通知で確認してください。

未経験から、調べながら覚えました

私は未経験で医療事務に入りました。
受付から始めて、外来の計算、入院の計算へと、少しずつ覚えていった毎日でした。

算定は、点数の本を調べながら、先輩に聞きまくっていました。
「こんなに聞いて大丈夫かな」と思った時期もありますが、
今思うと、その調べる動きが一番の勉強になっています。

未経験から始める不安については、未経験から医療事務へ|元採用担当が教える求人選びにもまとめています。
完璧に覚えてから動く必要はありません。
調べながら動けば、それで足りる。


よくある質問(FAQ)

Q. 算定は、何年やれば全部覚えられますか?

全部を暗記する必要はありません。
私自身、医療事務10年以上たっても診療点数早見表を毎回開いて確認しています。
暗記より「迷ったときに調べられること」のほうが現場では役に立ちます。

Q. 覚えられなくて怒られるのが怖いです。

その気持ちは、よくわかります。
怖いと感じるなら、丁寧にやろうとしている証拠です。
迷ったら一度立ち止まり、確認できる相手や資料を決めておくと、少しずつ落ち着いて動けます。
新人時代のしんどさは、医療事務1ヶ月目でしんどい新人さんへにも書いています。

Q. まず何から覚えればいいですか?

点数表の構造と「引き方」、初診・再診など基本の考え方、病院でよく使う算定の流れから始めるのがおすすめです。
細かい点数や条件は、毎回調べる前提で大丈夫です。

Q. メモはどう作ると役に立ちますか?

「迷ったこと・調べた場所・結論と条件」をセットで残すと役に立ちます。
答えだけでなく根拠の場所も書いておくと、改定で変わったときに見直しやすいはずです。

Q. 算定を間違えると、どうなりますか?

レセプトが返戻で差し戻されたり、査定で減点されたりすることがあります。
病院の収入に関わるので、迷ったら根拠を確認してから進めるのが安心です。
確認する習慣があれば、大きなミスは防げます。

Q. 改定があると、また覚え直しですか?

やり方が変わる部分はありますが、ゼロからのやり直しではありません。
「迷ったら根拠まで戻る」調べ方を持っておくと、改定後の変化にも対応しやすくなります。


覚えられない時に立ち返るところ

算定が覚えられないときの考え方を、3つに整理します。

  1. 算定は全部覚えられないのが普通で、量・条件・改定で変わる仕組みだから
  2. 点数表の引き方と初再診の考え方だけ押さえ、細かい点数や条件は毎回調べる
  3. 「立ち止まる・根拠まで戻る・根拠メモを残す」の3ステップで乗り切れる

全部覚えられなくて大丈夫です。
調べながら動けば、仕事は回る。
同じ悩みを持つ人の役に立てばうれしいです。

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■ 著者プロフィールゆう|3つの総合病院で医療事務10年以上、うち1つの病院で元採用担当を3年。
現在はフルリモートの医療事務として算定業務を担当。3児の父。
「もうひとりで悩まない医療事務」を届けるため発信しています。

最終更新日:2026年9月18日

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