職場の雰囲気が悪いのは、自分のせいだと本気で思っていた時期がある。

医療事務として働いていた頃の話だ。

だから誰よりも早く出勤した。先輩の表情が曇りそうな日は先回りしてフォローして。ナースの機嫌が悪い日は、いつもより丁寧に伝票を回した。

「あの子がいると空気がいいよね」

その言葉だけが、自分の居場所を証明してくれる唯一のものだった。

 


 

自分のご機嫌だけ、ずっと後回しだった

 

ピリついた空気を察知したら、すぐ動く。理不尽なことも笑って受け流す。

でもある日、仕事帰りの車の中で、ハンドルを握ったまま動けなくなった。

涙が出たわけじゃない。ただ、何も感じなくなっていた。

誰かの機嫌は一生懸命直せるのに、自分の機嫌だけは一度も取ってあげてなかったんだ。

あれは気配りじゃなくて、嫌われるのが怖かっただけだった。

 


 

採用側に回って気づいた、ひとつの事実

 

その後、医療事務の採用にも関わるようになった。たくさんの人の働き方を見てきて、ひとつ気づいたことがある。

ご機嫌取りをやめた人から、不思議と仕事がうまく回り始める。

逆に、顔色をうかがい続ける人ほど疲弊して、ミスも増える。

「好かれたい」が強すぎると、肝心の自分の仕事がぼやける。

レセプトの精度が落ちる。窓口対応が雑になる。当然のことだった。

 


 

「私は私の仕事をやる。それだけ。」

 

あるとき、心の中でそう決めた。

挨拶と業務連絡だけは丁寧にやる。あとは自分の仕事に集中する。それだけ。

医療事務は狭い世界だから、「冷たい人だと思われたら終わり」って最初は怖かった。

でも実際にやってみたら——何も変わらなかった。

正確に言うと、仕事の質だけが変わった。

レセプトのミスが減った。受付の段取りが良くなった。気づいたら、窓口に立つのが少しだけ楽しくなっていた。

あんなに必死で守っていた「空気」は、私ひとりが背負うものじゃなかった。

 


 

あの頃の自分に伝えたいこと

 

毎日ニコニコして、先回りして、場の空気を整えて。それなのに帰り道だけ疲れ切っている。

もし今そんな状態にいるなら、ひとつだけ伝えたい。

それ、優しさじゃなくて「自分いじめ」かもしれない。

肩の力を抜いて、自分のペースで働く。それは冷たいことじゃなくて、自分を大事にする第一歩だった。

無理に好かれようとしなくても、ちゃんと仕事をしていれば、居場所はできる。

今日はもう頑張らなくていいよ。
お茶でも飲んで、ゆっくり息を吐いてね。

 


 

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