「小学生になったら楽になるよ」は、半分ウソだった。

「小学生になったら、少し楽になるよ」

そう言われるたびに、「そうだといいな」と思っていた。

保育園時代、急な発熱のお迎えは日常だった。職場のグループチャットに「また熱です」と打つたび、小さくなっていた。だから小学生になれば、少しだけ息ができると思っていた。自分で登校できる。急なお迎えも減る。そう信じていた。

でも現実は全然違った。

手がかかる種類が変わっただけだった

小学校に上がって変わったのは、「楽さ」じゃなかった。

宿題を見る時間が必要になった。毎朝の忘れ物チェックが始まった。「算数の教科書は?体操服は?」を毎朝繰り返すことになった。学校からのプリントが毎日のように届いた。参観日、個人懇談——保育園にはなかった「学校行事」が次々と加わった。

手がかかる種類が変わっただけで、量は全然減らなかった。

以前、総合病院の医療事務をしていたころの感覚に似ている。外来が落ち着いたと思ったら入院対応が増える。仕事の総量は変わらないのに、「今日は余裕ありそうですね」と言われる日々。子育ても、まったく同じ構造だった。

リモート勤務になって、変わったことと变わらなかったこと

総合病院を離れ、今はリモートで医療事務の仕事をしている。

通勤がなくなった分、朝に少し余裕が生まれた。それは正直、助かっている。

でも自宅で仕事をするということは、子どもの帰宅と仕事時間が交差するということでもある。

画面の向こうで請求業務を進めながら、「ただいまー!」の声が聞こえる。オンライン会議の最中に、子どもが部屋のドアを開けることもある。集中したい午後に、「おなかすいた」が来ることもある。

リモートになって、家にいる時間は増えた。でも「仕事をしながら子どもと向き合う」ことの難しさは、通勤していたころとは別の形で、毎日そこにある。

「パパ、いつも家にいるんだから余裕でしょ」という空気

在宅勤務をしていると、外からはこう見えるらしい。

「家にいるんだから融通きくよね」
「お迎えも行けるでしょ」

実際に言われることもある。悪意はないのはわかっている。でも、画面の前で請求エラーを追いかけながら、同時に子どもの宿題を見ることはできない。リモートでも、仕事は仕事だ。

男性が育児に時間をかけることへの、見えにくいプレッシャーもある。「仕事はどうするの」「キャリアは大丈夫?」——育児を優先するたびに、そういう視線を感じることがあった。

「私が甘えているだけなのかな」

揺れていた時期が、確かにあった。

「ただいまー!今日ねー聞いてー!」

ある午後、子どもが学校から帰ってきた。

ランドセルを玄関に投げるやいなや、仕事部屋のドアを開けてこう言った。

「ただいまー!今日ねー聞いてー!」

会議の合間だった。正直、タイミングは悪かった。

でもその顔を見た瞬間、胸のどこかがすっと落ち着いた。

この「ただいま」を、毎日受け取れていること。子どもが帰ってきたとき、家に誰かがいること。リモートに変えた理由のひとつは、確かにここにあった。

「キャリアのため」じゃない。「子どものため」でもない。

「この時間が、今の自分に必要だから」。

それで、十分な理由だと思う。

自分の選択は、自分で決めていい

誰かに許可してもらわなくていい。

医療事務の仕事をしていると、患者さんから「この制度、使っていいんですか?」と聞かれることがある。そのたびに「使うためにある制度ですから」と答えてきた。

でも自分のことになると、なぜかためらっていた。

在宅勤務を選んだこと、子どもの行事を優先すること、それを「甘え」と感じてしまう瞬間が、今もゼロではない。でも、自分で選んだ働き方には、自分なりの理由がある。

完璧な両立なんて、たぶんどこにもない。

今日も続けられたこと。「ただいま」を受け取れたこと。

それだけで、十分すごいと思う。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

私自身、総合病院での10年を経て、
今はリモートで医療事務の仕事をしています。

「働き方を変えたい」「今の職場が合わない気がする」
そう感じている医療事務の方に向けて、
プロフィール記事の中で
私が転職のときに使ったサービスも紹介しています。

無理に動く必要はありません。
ただ、選択肢を知っておくだけで、
気持ちが少し楽になることもあります。

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