レセプト時期は日をまたぐ日々。
重い体を引きずりながら通勤電車に揺られ、泥のように眠る。
「ああ、今日も疲れた…」とため息をつくのが、医療事務として働く私のリアルな現在地です。
「白衣を着て、座ってできる綺麗な仕事」
もしそんな幻想を抱いて転職しようとしているなら、ちょっと覚悟が必要かもしれません。現実は、もっとずっと泥臭くて過酷だからです。
でもふと、数年前に未経験から必死の思いでこの世界に飛び込もうとしていた、あの頃の自分を思い出しました。
当時の私は、「座り仕事がいい」「家から近くて残業が少ないところがいい」なんていう自分勝手な本音を抱えながら履歴書と睨めっこしていました。
当然、そんな薄っぺらい理由は面接官に見透かされ、鋭い質問に冷や汗をかき、お祈りメールの山を築いていました。
無資格、未経験。医療用語なんて一つも知らない。
そんな私が、どうやって倍率の高い医療事務の内定を勝ち取れたのか。
それは、面接官が本当に見ているのは「今の完璧なスキル」ではなく、「この人は忙しい現場でも逃げないか」「患者さんに優しくできそうか」という人間性の部分だと気づいたからです。
今回は、現役医療事務の私が、当時の面接で実際に使って内定を勝ち取った「本音を隠して、最強の建前(アピール)に変換する答え方」をすべて公開します。
ただ、ここで一つだけ約束してください。
これを一言一句、丸暗記して棒読みするのは絶対にNGです。面接官には一瞬で「あ、どこかで見たテンプレだな」と見抜かれてしまいます。
あくまでこれをベースにして、ご自身の泥臭いリアルな体験を少しだけトッピングし、自分が口に出して一番しっくりくる、自然な言い回しにアレンジして使ってみてくださいね。自分の言葉で語るからこそ、本当の熱量が伝わるんです。
※ちなみに、履歴書を書く時は『貴院』、面接で話す時は『御院(おんいん)』と呼ぶのが正解です。意外と間違える人が多いので、知っているだけで一歩リードできますよ。
それでは、本編にいきましょう。
1. なぜ未経験から医療事務をやろうと思ったの?
【本音】「座り仕事がいいし、医療系なら安定してそうだから」
面接官は「どうせ楽そうだからでしょ?」と疑っています。だからこそ、自分の過去の「原体験」を引っ張り出して、本気度を伝えます。
【実際の答え方(※ご自身の体験にアレンジしてください)】
「医療業界で患者さんの力になりたいと考えたからです。以前、父が他界した際に、病院の皆様が非常に親身にしてくださり感動しました。医師や看護師という立場以外にも、患者さんを支えられる仕事があると知り、強く惹かれました。一般事務で培ってきたパソコンスキルや正確な事務処理能力は、医療現場でも必ず役立つと思い志望しています。」
2. 数ある中で、なぜうちの病院を選んだの?
【本音】「家から自転車で通えるし、お給料が良かったから」
これを言ったら即終了です。受かるためには事前にクリニックのホームページを穴が開くほど読み、「他の病院じゃダメなんです」という特別感を演出します。
【実際の答え方】
「患者さんひとりひとりに寄り添った丁寧な仕事がしたいと考え、応募しました。父を看取ってくれた病院は、私や家族にもとてもよくしてくれました。ですから私も、流れ作業のように患者さんを扱う病院ではなく、『心の通う医療提供』を理念として掲げている御院(おんいん)で、ぜひ働かせていただきたいと思っています。」
3. 前職の退職理由を教えてください
【本音】「給料は下がるし、人間関係も最悪でウンザリしたから」
一番聞かれたくない質問ですよね。でも、ここで「不満」をこぼしたら負け確です。「自分なりに限界まで抗ったけど、どうしようもなかった。だから次は長く働きたい」というストーリーに包み直します。
【実際の答え方】
「前職はケーキ店で販売をしており、有意義な仕事でしたが、コロナの影響で売上が減少してしまいました。売上回復のためにPOP作りや声かけなど、私なりに精一杯工夫しましたが、個人の努力では限界があり、出勤日数も減り退職を余儀なくされました。だからこそ次は、地域の方々の生活に不可欠な医療事務のお仕事で貢献したいと考えています。」
4. パソコンスキルはどれくらいある?
【本音】「マクロとか関数とか言われてもサッパリわかりません」
安心してください。高度なITスキルは不要です。「文字入力」と「足し算レベルの計算」ができる事実だけを、自信満々に伝えます。
【実際の答え方】
「前職ではWordを使ってお店のポスター作成や年賀状の印刷をしていました。また、日々の売上入力も行っていたのでExcelも問題なく使えます。ですので、電子カルテへの入力やレセプト業務の数字の扱いも、スムーズに慣れることができる自信があります!」
5. 医療用語の知識はありますか?
【本音】「カルテ?レセプト?全くわかりません」
最初からペラペラ喋れる未経験者なんていません。知ったかぶりをするより、「今は知らないけど、這ってでも覚えます」というガッツを見せます。
【実際の答え方】
「お恥ずかしながら、現時点では医療用語はほとんど知りません。ですが、採用していただいた後は少しでも早く戦力になれるよう、できるだけ早く覚えられるよう全力で努力します。よろしくお願いいたします!」
6. 医療事務の資格は持っていますか?
【本音】「持ってないです(これから取る気もまだないです)」
無資格でも受かる人は受かります。でも、「今まさに勉強し始めました」と言うだけで、面接官の目の色が劇的に変わるんです。「やってる感」を行動で示すのがコツです。
【実際の答え方】
「現在は資格を持っていませんが、どうしても御院で即戦力になりたいので、独学で医療事務技能審査試験の勉強を始めました。次回の〇月に受験予定です。内容は難しいですが、少しでも早く業務を覚えられるよう学習を継続します!」
7. 最後に、何か質問はありますか?
【本音】「特にないです。早く帰って寝たいです」
ここで「ありません」と答えるのは、面接官を最高にシラけさせます。「どうしても入りたい!」という前のめりな姿勢を見せる最大のチャンスです。
【実際の答え方】
「はい!もしご縁があって採用していただけた場合、入社日までに私が自宅で準備しておくべきことや、読んでおいた方がいい本はありますか?」
「求人票には主な仕事内容は受付業務と記載されていましたが、ゆくゆくはレセプト業務など、他の幅広い業務にも挑戦させていただくことは可能でしょうか?」
いかがだったでしょうか。
特別な才能も、輝かしい経歴も、全く必要ありません。
相手の意図を汲み取り、ネガティブな本音を「これから頑張るためのバネ」に変換して、自分の体験を交えながら前向きな熱意を言葉にする。
当たり前の内容かもしれませんが、本当に効果的です。これを徹底するだけで、面接官の反応は面白いほど変わります。
レセプト時期は地獄のように忙しいし、綺麗事だけでは済まない世界です。
でも、これまでの苦労で培った「人の痛みがわかる泥臭い力」は、医療現場で必ず患者さんの救いになります。
丸暗記ではなく、ぜひあなた自身の言葉で。
面接というステージで、思いっきり想いをぶつけてきてください!
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