結論:医療事務の退職と転職は、別々に進めるより「在職中から同時並行」で動くと、ブランクと焦りを避けて90日で完走できます。 総合病院で医療事務10年以上、いまは在宅で算定業務を担当し、採用にも3年たずさわった立場から、退職から内定・入職までの90日を、週単位のロードマップで具体的に整理します。
この記事でわかること
- 退職から転職までの90日ロードマップ(週単位)
- 在職中の30日準備リスト
- 退職交渉の伝え方とタイミング
- 転職活動の30日(応募〜内定)
- 入職前の30日準備
- 退職と転職を同時並行する人が陥る3つの失敗
✅ この記事を書いた人
ゆう|3つの総合病院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモート医療事務|3児パパ
退職→転職を90日で進める全体像
退職と転職は、別々に進めるより同時並行で進めたほうが早く・安全です。
総合病院10年以上、元採用担当3年。
私が見てきた中で、退職→転職を90日で完走できる人は、以下の3段階を守っていました。
3段階のロードマップ
| 段階 | 期間 | やること |
|---|---|---|
| Step 1 在職中の準備 | 1〜30日目 | 転職活動を在職中に始める・退職時期を決める |
| Step 2 転職活動本格化 | 31〜60日目 | 応募・面接・内定獲得 |
| Step 3 退職実務+入職準備 | 61〜90日目 | 退職交渉・引き継ぎ・新しい職場の準備 |
「退職してから転職活動」は、ブランクと焦りが生まれるためおすすめしません。
私の場合:転職前と転職後で何が変わったか
具体的なロードマップに入る前に、私自身の転職前後の変化を一例として共有します。
譲れない条件を絞る時の参考になればうれしいです。
| 項目 | 前職(総合病院・通勤) | 現職(フルリモート医療事務) |
|---|---|---|
| 通勤 | 片道50km・1時間の高速通勤 | 0分(自宅で算定業務) |
| 起床時間 | 朝6時起き | 朝6時前後(変わらず) |
| 帰宅時間 | 21〜22時(残業+通勤1時間) | 業務終了後すぐ |
| 通勤コスト(月) | 高速代+ガソリン+整備費で数万円 | ほぼゼロ |
| 子どもとの時間 | 平日はほぼすれ違い | 朝夕に顔を合わせられる |
| 年収レンジ | 残業込み | 残業0で再設計 |
転職サービス経由でフルリモート医療事務に切り替えてから、暮らしの設計が大きく変わりました。
譲れない条件を「給与」だけにせず、「通勤・働き方・家族と過ごす時間」までセットで考えたのが、結果的に良かったと感じています。
転職の成功は、「給与いくら上がったか」だけでは測れません。
「同じ収入でも生活が回るようになった」「家族と過ごす時間が戻ってきた」も、立派な成功です。
Step 1:在職中の30日準備(1〜30日目)
最初の30日で、転職活動の土台を作りますよ。
週1〜2目:自己分析と転職軸の整理
やること:
- これまでの業務内容を時系列で書き出す
- 自分が「続けたい仕事」「避けたい仕事」を10個ずつ言葉に
- 譲れない条件を最大2つに絞る(給与・休日・通勤・働き方)
ツール:
- A4紙またはGoogleドキュメント
- 30分×3日で完成
週3〜4目:転職サイトへの登録
やること:
- 医療事務に特化した転職サービス2〜3社に登録
- 担当者との初回面談(オンライン)
- 求人を5〜10件眺めて市場感を掴む
詳しくは 医療事務の転職サイトおすすめ3選 を参考にしてください。
30日目のチェックポイント
- [ ] 自分の業務内容を数字で説明できる
- [ ] 譲れない条件が2つに絞れている
- [ ] 転職サイトに登録済み
- [ ] 担当者との初回面談済み
- [ ] 求人のレンジ感(年収・場所・働き方)を把握済み
Step 2:転職活動本格化の30日(31〜60日目)
応募〜内定獲得まで、30日で動きます。
週5〜6目:応募開始
やること:
- 譲れない条件に合う求人を5〜10件選ぶ
- 履歴書・職務経歴書を準備
- 5件に応募
履歴書のコツ:
- 業務内容を数字で語る(月◯件のレセプト、新人指導◯人など)
- 「工夫したこと」を1つ入れる
週7〜8目:面接
やること:
- 一次面接3〜5件(オンライン or 対面)
- 二次面接1〜3件
- 内定獲得1〜2件
面接でよく聞かれる質問:
- 退職理由(前向きな表現で)
- 志望動機(求人ごとに作る)
- 5年後のキャリア像
- 質問(逆質問)
詳しくは 医療事務の面接 逆質問で受かる人が聞く7つ も参考にしてください。
60日目のチェックポイント
- [ ] 5件以上応募済み
- [ ] 一次面接3件以上経験
- [ ] 内定1〜2件獲得
- [ ] 入職希望日が明確
- [ ] 退職時期を決定
Step 3:退職実務+入職準備の30日(61〜90日目)
最後の30日で、退職と入職をスムーズに進めますね。
週9〜10目:退職交渉
やること:
- 上司に退職の意思を伝える(できれば30日前以上)
- 退職届を提出
- 引き継ぎ計画書を作成
退職を伝えるコツ:
- タイミング:月末月初の繁忙期を避ける
- 場所:上司の個室で個別に
- 理由:「家庭の事情」「健康上の理由」「キャリアアップのため」
- 伝え方:明確に「退職します」と意思を示す(「考えています」はNG)
週11〜12目:引き継ぎ
やること:
- 業務マニュアルの作成(自分用の覚書を清書)
- 後任者へのOJT
- よくある質問集の整備
引き継ぎが評価される人の3条件:
1. 退職後に後任者が迷わない資料を残す
2. 患者対応のクセまで文書化する
3. 連絡先を退職後も最低3ヶ月は維持
週13目:退職手続きと入職準備
退職手続き:
- 健康保険証の返却
- 雇用保険被保険者証・離職票の受け取り
- 源泉徴収票の受け取り
- 退職証明書の発行依頼
入職準備:
- 新しい職場への必要書類提出
- 給与振込口座の確認
- 入職初日の持ち物確認
90日目:新しい職場へ
退職翌日 or 数日後に、新しい職場へ入職。
退職と転職を同時並行する人が陥る3つの失敗
元採用担当として、よく見てきた失敗パターン。
失敗① 退職を先に伝えてしまう
転職先が決まる前に退職を伝えると、給与交渉で不利になります。
次が決まってから退職交渉。ここは鉄則ですよ。
失敗② 引き継ぎを甘く見る
引き継ぎを雑にすると、退職後も連絡が来ます。
退職金や有給消化で揉める原因にもなります。
失敗③ 在職中の転職活動が職場にバレる
採用面接で「在職中の職場には連絡不要」と伝えてください。
電話対応・SNS発信・同僚への会話で漏れることが多いです。
退職と転職を90日で完走できなかった場合
90日で進められない場合の対処を整理します。
パターン① 内定が出ない(60日経過時点で0件)
対応:
- 譲れない条件を1つに絞る
- 履歴書・職務経歴書を見直す
- 別の転職サービスに追加登録
パターン② 退職交渉が難航する
対応:
- 退職届を内容証明郵便で送付(法的に2週間で退職可能)
- 労働基準監督署に相談
パターン③ 体調を崩した
対応:
- 心療内科を受診
- 休職制度の利用を検討
- 詳しくは 医療事務のメンタル限界の整え方 を参考に
3年後・5年後、転職を成功させた人の共通点
ここまで、90日ロードマップ・在職中の準備・転職活動・退職実務を整理してきました。
最後に1つだけお伝えしたいのは、「転職の成功は、準備の質で9割決まる」ということです。
私自身、転職活動を90日で完走できたのは、Step 1の30日準備を怠らなかったからでした。
3年後・5年後、振り返って「あの90日の準備があったから、今の自分がある」と思える行動を、今日から始めてください。
転職の判断軸は「キャリアアップ」だけじゃなくていい
ここまで90日のロードマップを整理してきましたが、最後にひとつだけ書き残しておきたい話があります。
転職の判断軸は、「年収アップ」「キャリアアップ」だけとは限らない、ということです。
私自身、前職を辞めようと決めた時の一番の理由は、給与でも役職でもありませんでした。
10年間続いた片道50kmの高速通勤と、平日に子どもの寝顔しか見られない日々。
高速代と整備費を払って働き続けることに、限界を感じていた、というのが正直なところです。
そこで決めた譲れない条件は、シンプルに2つだけでした。
- 通勤時間をゼロに近づけたい
- 子どもが起きている時間に「ただいま」を言いたい
この2つに合う求人を、転職サービス経由で探した結果、フルリモート医療事務に行き着きました。
年収レンジは前職と並ぶ程度ですが、通勤コストと夜の時間が戻ってきた分、生活の満足度は別物になりました。
3児の父として、転職を考えている時に伝えたいのは、判断軸を1本に絞り過ぎないでほしい、ということです。
- 給与
- 通勤・働き方
- 家族との時間
- 心と体の休まる時間
これらを並べた上で、「自分にとっての譲れない順」を決める。
順番が見えていれば、求人選びでも面接でも、迷いがぐっと減ります。
キャリアは、誰かに見せるためのものではなく、自分の生活を守るための設計図です。
焦らなくていい。自分の順番で、選んでいって大丈夫です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 90日より短く転職できますか?
A. 可能です。ただ、準備不足のリスクが高まります。最短60日で完走した人もいますが、推奨は90日です。
Q2. 退職を伝えるタイミングは?
A. 法律上は2週間前で問題ありませんが、就業規則の規定(多くは1〜2ヶ月前)に従う方が円満です。
Q3. 退職理由を聞かれた時の答え方は?
A. 「家庭の事情」「健康上の理由」「より自分に合う働き方を求めて」が定番です。職場批判は避けてください。
Q4. 内定後に他社からも内定が出たら?
A. 最初の内定先に「最終決定まで1週間お時間ください」と相談。比較検討の上で決めてください。
Q5. 在職中の転職活動はバレますか?
A. 担当者に「在職中の職場には連絡不要」と伝え、面接は有給・半休を使えばほぼバレません。
Q6. 90日で進められない時は?
A. 焦らなくて大丈夫。期間を延長するか、退職を先に決めて転職活動の負荷を減らすかを検討してください。健康優先です。
Q7. 退職時の有給消化はどうする?
A. まず相談です。退職日の1〜2ヶ月前に上司へ。法的には全て消化可能です。
Q8. 退職後に「失業給付」を受けたい場合は?
A. 自己都合退職の場合、給付開始まで一定の給付制限の期間があります。期間は改正されることがあるため、ハローワークで早めに最新の条件を確認してください。
まとめ
医療事務の退職→転職は、90日で完走できますよ。
3段階のロードマップ(在職中の準備30日・転職活動30日・退職実務30日)を守り、在職中に並行で進めることが成功の鍵です。
3年後・5年後、振り返って「あの90日の準備があったから今がある」と思える転職を、応援しています。
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■ 著者プロフィール
3つの総合病院で医療事務10年以上、うち1つの病院で採用にも3年携わりました。
片道約50kmの高速通勤を10年続けたのち、転職サービス経由でフルリモートへ。
現在はフルリモートの医療事務として算定業務を担当。3児の父。
「もうひとりで悩まない医療事務」を届けるため発信しています。
最終更新日:2026年6月20日